第1085回 (30)

例会日時:
2016年3月14日 12:30~
例会場所:
たびやかた嵐の湯
担当委員会:
ICO・ロータリー情報委員会

  ダンチ・バオ・ゴックさんが今年の3月で、東北芸術工科大学を卒業します。希望を胸に日本に来て、慣れない異国の土地での努力の6年間を初めて伝えました。

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(ダンチさんへ卒業祝いの花束を贈る武田昇会長)
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(当クラブから明日を刻む贈り物)

  私は、アニメが好きで日本のアニメに憧れ、2010年3月にベトナムから仙台に来ました。最初は、日本語が上手く話せず、とても緊張して苦労しました。生活のため、クリーニング工場でアルバイトをすることになり、自転車で50分の道のりを通い続けました。そして、美術の専門学校に行きデザインの勉強をしました。
  翌年、東北芸術工科大学の入学試験を受験し、2012年4月から大学生活が始まりました。大学に通いながら、夜は居酒屋でアルバイトをして生活費を繋ぎました。正月も休まずのアルバイトは、成績にも影響し、大学生活を続けることが困難になっていました。
  そんな時、ロータリークラブの米山奨学事業を知り、申し込みをしました。この奨学金を受ける事ができ、経済的にも精神的にも安定した生活を送ることができました。とても有難くて感謝の思いで一杯でした。カウンセラーになって頂いた村岡さんや白井さんからは、東根やたくさんの事を教えて頂ました。前会長の遠藤さんからは、私の卒論「山形のさくらんぼのブランド化」に向けて、さくらんぼの事を沢山教わりました。パンフレットと化粧箱のデザインの成果は、ある方から「化粧箱を商品化しては」と、オハーが有りましたが帰国するので断念しました。
  私は、日本に来て辛い事や大変な事があっても、最後まで遣り遂げた事は大きいです。また、卒業できたことは、皆さんから支えて頂いたからだと感謝しています。そして、日本でいっぱいの人と出会えた事、それは運命とも感じることがあります。
  これから、日本とベトナムとの交流に力を尽くしたいと思います。今度は、私のふる里を皆さんに紹介したいです。皆さん、ありがとうございました。

(本人の言葉を要約して掲載しています。)

  ダンチさんは、卒論で、大学から「奨励賞」を頂いたとの事です。おめでとうございます。
  いつも笑顔で頑張り屋のダンチさんですが、自分が米山奨学生として支えて頂いたことへの感謝の思いを伝えようとすると、何時も目頭を熱くして言葉を詰まらせます。その彼女の姿は、私たち日本人の忘れていた何かを思い起こしてくれるような気がしてなりません。
  ロータリー米山記念奨学事業は、日本と世界とを結ぶ「懸け橋」となって国際社会で活躍し、ロータリー運動の良き理解者となる人材を育成することが事業の使命とされています。
  世界には、ダンチさんのように夢を持ち、学びたくてもそれが叶わない数多くの若者がいます。本当に支援を必要とする苦学生を見極め、その願いに寄り添い支援することが大切だと思います。きっと、これからの日本とベトナムとの交流は、もっと強くなって行くでしょう。

ダンチ・バオ・ゴックさん、ご卒業おめでとうございます。

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(卒業を迎えるダンチ・バオ・ゴックさんを囲んで記念写真)